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最高裁判所第二小法廷 昭和35年(あ)1176号 決定 1960年10月28日

主文

本件各上告を棄却する。

理由

各被告人の弁護人羽田野忠文の上告趣意第一点は、判例違反をいうけれどもその実質は、本件金員供与に関する共同正犯の認定につき、被告人らは共同犯行の認識がなく、またこれを認めるに足る証拠もないとする事実誤認、単なる法令違反を主張するに帰し、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。同第二点は、憲法三一条違反をいうけれども実質は、原審で主張判断のない第一審判決の法令の違反をいうもので、刑訴四〇五条の上告理由に当らない。そして、第一審判決が本件各被告人に対しそれぞれ候補者、総括主宰者、出納責任者であることを認定し、且つ正規の立候補届出以後に行われた本件金員供与の事実を認定しながら、法令の適用として公職選挙法二二一条一項一号のみを掲げ同条三項を挙示しないのは、誤りであるが、右法令違反は刑訴四一一条により破棄しなければ著しく正義に反するものとは認められない。

その他記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よって同四一四条、三八六条一項三号により裁判官全員一致の意見で主文のとおり決定する。

(裁判長裁判官 小谷勝重 裁判官 藤田八郎 裁判官 池田 克 裁判官 河村大助 裁判官 奥野健一)

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